2013年2月27日水曜日

清く静かな曇ったなんて素敵な日。そして母

水曜日が好きです。
家業の定休日なので家に母がずっと居るのです。
小さい頃は定休日が無く、母が家に一日中居たことがありませんでした。
それででしょうか。
母が家に朝も昼間も居るとなんだか特別なことのように思えるのです。

きょうは朝の雨があがり、庭の木々や土に水分が存分に含まれた、しっとりした、
そして風も無く、飛行機の騒音も無く、時々野鳥の鳴き声が聴こえる、
静かに曇ったお天気でした。

なんて素敵なお天気。

びかびかに晴れた日だけが素敵なお天気ではないのです。
母は黙々と確定申告の調べ物をしていました。
大詰めです。

私が輪ゴムをさがして台所をうろうろしていると居間で調べ物をしている母がどうしたのかと訊きます。
輪ゴムをさがしている、
と云うと
母は腕まくりしている腕から三個か四個輪ゴムを差し出しました。ひとつで充分です。
いつも輪ゴムを腕にストックしているのでした。

「何につかうの?」
「ドライフラワーつくるため」
「もっと探すか?」
「いいよ。足りるよ(笑)」

今朝私は仕事がせっぱつまっていてカリカリして母に少しやつあたりしました。
あとで思うと大した事でもなかったのにあたりました。
そんなことがあっても忙しくても母は「どうしたの」と訊いて来て「もっと必要か?」とまで訊いてきます。

こんなふうに何度も助けられています。
いつもありがとうございます。

なんでもないけど何も起こらないけど今日はとても良い日。

私にとってはこんななんでもない日がとても大事な宝物です。

2013年2月25日月曜日

いばら姫

ばらの花と犬のラフを描いたまま放置してましたが
やっぱりちゃんと描きたかったので描きました。

花はむずかしいなとおもいましたが、描いてて楽しいです。一ヶ月咲き続けた切り花のばらを褒めたいきもちで描きました。

犬たちは泣き笑いのようなどうしたらいいのかわからないふうです。

いばら姫のあらすじはよく知りませんでしたがだいたいこんなかんじで合ってるようです。
犬は出ないようですが。

2013年2月18日月曜日

挿し絵のお仕事

ツィッターでも報告しましたが
沖縄タイムスにて平岡禎之さん著作の小説「家族になる時間」の挿し絵を担当させて頂きます。
本日2月18日から毎週月曜日、全五回。
挿し絵の仕事は以前からやってみたかったので、とても嬉しいです。
肩の力を抜いて、しかし丁寧な仕事をしたいと思います。
どうぞよろしくおねがいします。


2013年2月14日木曜日

ダイニングキッチン鬨(とき)のラーメンについてもっと語らなければならない

林を見下ろしぐねぐね曲がった道を抜けるとぽつぽつの住宅街にそこはあります。
一昨日食べたラーメンを思い出したのです。
黄金色のスープ。薄味でしかししっかりとしたうまみ。
たべあるきしているわけではないですが恐らくとっても美味い部類に入るラーメンです。
うちから遠いだけではなく、道がややこしくてひとりでは まだ 行けません。
今年の目標のひとつに、大好きな友達を食べに連れて行く事に決めました。

私の住んでいる村はとにかく広いのです。

わたしもやってみました

こんにちは。バレンタインデーですね。

私は以前からうちのオーブンレンジを大活躍させたいと思っていたのです。
一時期は大活躍していたのです。
でも母が天板をどこに仕舞ったのかわからなくなり
近年はおもちをふくらませたり冷えごはんをあたためたり
などの地味な活躍しかできませんでした。
今年は作りたいんですよ、ええ、と母に頼んでオーブンの天板を探してもらいました。
ちょっとした家捜しした挙げ句...オーブン台の下に隠してありました。灯台下暗し。
まあざっくりとこんな感じでチョコレートブラウニーを作りました。くわしくは別のウェブで。
チョコレートを刻むのってすごく面倒臭そうと幼少の頃から思っていましたがコツをつかむと意外と面白いです。そして湯煎にかけてぐいぐい溶かすのも愉快でした。
やってみなきゃわからないもんですね。
深夜にひとり結構なテンションの上がり様でした。
そして汗だくでした。
お菓子づくりは化学!そして体力!


 一夜あけて粉砂糖がかかったブラウニーさん。

2013年2月12日火曜日

ざんこくな雨

夕方から強い雨が降り出しました。
私は部屋でじっとしていました。
きょうは雨が降り出す前から
米軍基地の戦闘機が飛び交う音が延々と鳴り響いていました。
雨が止んで夜になっても飛行機が低空飛行する音が聞こえます。
重低音のブブブブブブという音です。
運が悪い事にきょうは体調の良くない日で、色んな薬を手当たり次第に飲んで平静を保とうとしていました。
でも効きません。
遠くで猫がずっと鳴いています。脳髄が痛くなり心臓が早鳴って私も泣きたくなりました。

自分が正気か確認したくなる時がときどきあります。
米軍基地の戦闘機から降り注ぐ騒音はざんこくな雨です。

2013年2月11日月曜日

宅急便屋さん

宅急便屋さんがきたぞ
人食い魚がおよぐ海をわたって
宅急便屋さんが宅急便をもってやってきたぞ
いぬもねこも宅急便屋さんにはおいつけない
すごいぞ はやいぞ 宅急便屋さん

2013年2月5日火曜日

とある上下関係

冬の天気が良いお昼は南側の畳間の雨戸を開けて
ぽかぽかの日射しが入る中でご飯を食べる様になりました。
最近はお天気が続いているのでほぼ毎日です。
私は畳間から庭をながめるのがすきです。
その日も見ていたら
いつもうちを通り道にしているシャムっぽい猫がやってきて
一番陽があたる石積みされたところでいいかんじにごろごろしはじめました。
だがしかし
 シャムの1.5倍くらいの体躯をしたライバル赤虎毛があとからのすのすやってきて
シャムよりもう一段高い岩の上を陣取ったのです。
もりあがる緊張感。
シャムは腰がひけています。
そしてしょんぼりしてその場を立ち去りました。
赤虎毛は「我が朝」といったかんじのどや顔で日射しをめいいっぱい浴びていました。
野生のきびしさをひしひしと感じます。
なかよしにはなれないのだね。

2013年2月4日月曜日

鳩の死と不浄について

お昼過ぎにお菓子を買って来て母に食べる?と訊くとすこしあらたまった感じで喋り出すので何事かと思った。
「一昨日からなんとかしなきゃと思ってたけど
...庭で鳩が死んでてさ。
きょうやっとの思いで処分しようと思って、おそるおそる屍骸を持ち上げたわけよ。
そしたら凄く軽くてさ」
「紙みたいに?」
「紙みたいに。イメージ的には1キロくらいあるんじゃないかって感じだったから拍子抜けしたよ」
おそらく猫に襲われたわけではなく衰弱死したのだろう。
衰弱死した動物は驚く程軽い。
困ったことはなんでも長兄に頼む母だが、動物の屍骸処理だけは頼めないという。
大の潔癖性なのだ。
廊下中にサンポールを撒いたこともある。
「男のひとの方が潔癖性多くない?」
「多い多い」
「女は毎月生理があるから汚れたものも結構平気なのかもね」
「なにかによると女のあそこは汚いものって云われてるし」
「沖縄でもそうだよ。どこでもそうなんだね」
それから、昔から女性は不浄のものとされていること、だから相撲の土俵にも入っちゃいけない。聖域とされて女が入れない山もある。
などと話が 飛躍していく。
「魔女狩りとかも女性蔑視のひとつかもね」
「むかしのひとはばかだねー。女がいないと何も生まれないのにさ」

母の最後の一言には屍骸の処理だけではなく我が家の一切合切を影で守って育てて来たという深い重みがありました。