2014年7月3日木曜日

夏の奇形児

カカッとすっかり夏の空になった。
雲が面白い形をしているよ、ほら、
車の後部座席で横に座っている母に空を指差して
気分は上々。
家族全員揃って魚の切り身やなんやかやが乗った丼。
安い食料品店でいっぱい買い物もした。
帰り道で何度も確認する。
美味しい物を食べたし私は笑っているし
幸せ

いま、幸せ
おぼえておけ




夏が、嫌いになった。

夏場は昼過ぎになると身体がどうにもならなくなって部屋で横になる。
週に一日以外の毎日は私が家族の夕食を作らないといけないのでタイマーをセットして起きる。
体温は7度2分になっている。
色んなところが重い。
でもごはんを作る。
それ「だけ」が私の、家での役割だから、前もっての用事がないかぎり、絶対にやる。
何故なら私以外の家族は「仕事」をしているから。家の為に働いているから。
私は家族の中で最下位の穀潰しだから。晩ご飯は絶対時間通りに作らないといけない。
この夕方台所に立つ時間帯をひそかに「魔の時間」と呼んでいて、私は相当な絶望感と悲壮感とどろどろした気持ちに満ち満ちて包丁を握っている。

蓋をしていた記憶がぐるぐるとよみがえる。
他人からしたらきっと全然大したことじゃないことだ。
「たったそんなことでぇ?私の方がもっとひどいよ」
って云われる。
そういうであろう人達を思い出す。
自分より環境の悪い人、
自分より恵まれないであろう人、
苦労している人、
苦しんでいる人
 あのひとたちより、ましなんだ。しあわせなんだ。
 だから文句とか云っちゃだめなんだ
そんなふうに人と比べてしまう自分にまた嫌悪感とよくわからない謝罪の気持ちが湧いて来る。
泣きたいようなわあああと叫びたくなる気持ち。
眉間に皺を寄せて脂汗をかきながら頭とからだのまんなかのみぞおちあたりがずずうと重くなる。


まともかな?
まともです、まともです!
この鍋が煮上がってお皿に盛って配膳すれば。


こんな事を考えるのはきっと私がとっても暇だからなのだ。
いい歳した大人のくせに甘ったれの暇人の戯言だ。



いま、しあわせだ。
おぼえておけ

その声に抗う。

私は不幸じゃないけど
しあわせなふりはもうしない。

そして、これを書いているわたしは私の一側面であり...  
本来の私は 本来の私は

それは自分でもわからない。

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