2013年2月4日月曜日

鳩の死と不浄について

お昼過ぎにお菓子を買って来て母に食べる?と訊くとすこしあらたまった感じで喋り出すので何事かと思った。
「一昨日からなんとかしなきゃと思ってたけど
...庭で鳩が死んでてさ。
きょうやっとの思いで処分しようと思って、おそるおそる屍骸を持ち上げたわけよ。
そしたら凄く軽くてさ」
「紙みたいに?」
「紙みたいに。イメージ的には1キロくらいあるんじゃないかって感じだったから拍子抜けしたよ」
おそらく猫に襲われたわけではなく衰弱死したのだろう。
衰弱死した動物は驚く程軽い。
困ったことはなんでも長兄に頼む母だが、動物の屍骸処理だけは頼めないという。
大の潔癖性なのだ。
廊下中にサンポールを撒いたこともある。
「男のひとの方が潔癖性多くない?」
「多い多い」
「女は毎月生理があるから汚れたものも結構平気なのかもね」
「なにかによると女のあそこは汚いものって云われてるし」
「沖縄でもそうだよ。どこでもそうなんだね」
それから、昔から女性は不浄のものとされていること、だから相撲の土俵にも入っちゃいけない。聖域とされて女が入れない山もある。
などと話が 飛躍していく。
「魔女狩りとかも女性蔑視のひとつかもね」
「むかしのひとはばかだねー。女がいないと何も生まれないのにさ」

母の最後の一言には屍骸の処理だけではなく我が家の一切合切を影で守って育てて来たという深い重みがありました。

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